＜これまでのあらすじ＞
帰りの電車内では疲れ果て、立っていても寝そうな４歳児。ミニカーでごまかし、ドーナツを買いジュースを飲ませ、どうにか車にたどりついて、乗せた途端にあっという間に眠ってしまいました。 |
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２３．本人の感想を聞いてみた
眠ってしまったけん坊を乗せ、車は帰宅の途へ。
帰り道はNHKからタクシーを使ったことで、予定よりも少し時間を短縮できた。まー坊の預かり時間は17:00までだが、16:30頃にはお迎えに行ってやれるだろう。
その前にいったん家に寄ることにした。けん坊を車から抱えて降ろし、和室の布団に寝かせたまま、まー坊のお迎えに出かける。
全く起きる気配はない。この調子だと、しばらくぐっすりだな。
まー坊は良い子でご機嫌であった。お昼寝もしっかりしたそうで、いつもは時間的にもらえない手作りおやつまで食べさせてもらいご満悦であった。抱っこされて先生に連れて来られたところを、お礼を言って引き取る。
思いがけず長時間預けられる羽目になったまー坊だったが、意外とへっちゃらであった。初めての夕方までの保育も本人なりに楽しく過ごしてきたようである。次男坊はこうやって上の子の都合に振り回され、たくましく育つのだな。こちらも無事で何よりであった。
お昼寝用のバスタオルやらお弁当やら着替えやら、一日過ごした大荷物と共に、まー坊を家に連れて帰る。
すると片付けているうちに、元気いっぱいのまー坊はちょろちょろと和室に入っていってしまった。しまった、締めとくんだった。
まー坊は寝ているお兄ちゃんに興味津々である。ニコニコと嬉しそうに足を踏んづけてみたり、頭をバシバシ叩いてみたり。まるでいつもやられていることのお返しとでもいうかのように。
慌てて止めに入ったが後の祭り。
うわあぁ〜ん！！
けん坊、寝ているところを襲撃されて大泣き。悲鳴がご近所中に響き渡ったのであった。
とまあ、そんなことがありつつも、半分寝ぼけていたけん坊はまた寝てしまった。それどころかご飯の時間になっても、お風呂に入れようと声をかけても、起きなかった。
やはり相当お疲れのご様子だ。いったいいつまで寝るつもりなのか。もしや朝までか。
やがてお父さんが帰ってきたので、簡単に今日の報告をする。
母も遠くから見ていたのでところどころでしかないのだが、目の前で泥のように眠るけん坊の姿が、何より充実した一日を表していることであろう。後はオンエアを見てもらうことにしよう。
まー坊が眠り、そして大人たちもそろそろ寝ようかという22:00頃。やおらけん坊が起き出した。「おなかすいた」と言っている。
ダイニングテーブルには帰り道に買ったパンが置いてあった。
けん坊を椅子に座らせると、「これ食べる」と手をのばし、むしゃむしゃ食べはじめた。
お父さんが「NHK、どうだった？」と話しかける。返答は「涼しかった」。
･･･そっちかい。
「楽しかった？」「楽しかった」
「シュッシュとポッポいた？」「いた」
お父さん的には、「シュッシュとポッポに会って嬉しかったよ！」とか「こういうことやって楽しかったよ！」的な報告を息子の口から聞きたいところであろう。しかしまあ、寝起きなこともあるし、４歳児の感想なんてそんなもんである。
結局、最後までさっぱり埒が明かない感じで、けん坊はパン１個を平らげて、また寝た。 |
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